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2017 06.16
「入浴福祉に感謝して」~『入浴福祉新聞 第24号』より~
 従事者向け

 

『入浴福祉新聞 第24号』(昭和63(1988)年9月15日発行)より

過去の入浴福祉新聞に掲載された記事をご紹介します。

発行当時の入浴や福祉等の状況を少しでもお届けできたら幸いです。

 

 

「入浴福祉に感謝して」

山田 無雅吼

 

 

給浴を初めて享けし難症者が

         持てぬ手先で書く筆跡

 

許可になり八分は嬉し二分不安

         昂奮のうちに当日は迫る

 

五体麻痺十年越しの枯れた身が

         湯あむ刺戟に抵抗なるか

 

浴槽に携わる人皆優し

         あたかも幼児を扱うが如し

 

全身が湯に浸かりたるその刹那

         健在なりし昔日を想う

 

湯加減は五体を透し十年の

         深き眠りを呼び醒すらし

 

体洗う湯姉(ゆし)の冴えたる感触は

         味覚でいえばこれぞ醍醐味

 

本日の浴感問はば生きていて

         良かったことの一言に尽く

 

この間も湯姉は気使い御気分は

         如何に如何にと数回も問う

 

本日の歓喜に徹す給浴に

         関係各位の御苦労を謝す

 

 

 

この歌は『給浴を感謝して』と題し、山田さんが詠まれた33首から選びました。

千葉県船橋市にお住まいだった山田さんは、昭和57年5月、特養まで搬送介護され、10年ぶりの入浴を味わいました。その時の喜びを、手づくりの歌集にして、入浴担当者と老人福祉係にプレゼントしたのです。

 

 

歌集には

 

聖職に携わる皆様!今回希望が叶い、有難く享受させて戴きました。

皆々様の病める者への暖かい御とり為しに胸うたれました。

 

と添えてありました。

 

 

 

 

 

※発行当時の原稿をそのまま掲載しております。何卒ご了承の程お願い申し上げます。

 

 

 

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